什器・装飾金物

店舗什器や装飾金物は、店舗の美観や機能性を高める重要な要素です。特にオーダーメイドの什器は、店舗の個性を反映し、顧客のイメージを具現化することができます。素材には、真鍮やステンレス、アルミニウムなどが使用されますが、その特性や加工性を活かすような素材選定が重要です。共栄精機ではお客様の利用用途に合わせたオーダーメイド什器の製作に対応いたします。材質や表面処理などの相談も可能です。

什器・装飾金物の製作事例

什器・装飾金物の基礎知識

什器とは、店舗やオフィスなどで用いられる家具や器具、装置のことを指します。例えば店舗什器であれば、棚、カウンター、ディスプレイスタンドなどです。これらの什器は、陳列される商品の魅力を引き出す役割を果たします。

装飾金物は、デザイン性が高められた装飾的な製作金物(金属部品)です。飾り彫刻を施したハンドルやエッジトリム、ロゴプレートなどが含まれます。

オーダーメイドの什器や装飾金物は、店舗の独自性を反映し、顧客のイメージやブランドの魅力を引き立てるために欠かせません。特に、高品質でデザイン性に優れた什器・装飾金物には、熟練の精密板金加工技術が活用されています。

什器によく使われる金属素材の特性

什器に使われる金属素材には、それぞれ異なる特性があります。各金属の特性を理解することで、用途やデザインに最適な素材の選定が可能です。

真鍮

真鍮は、銅と亜鉛の合金で、金色の美しい光沢が特徴です。耐久性が高く、腐食に強いため、長期間の使用でも美観を保つことができます。ある程度の経年劣化は起こりますが、その味わいのある色調も好まれています。真鍮は柔らかくて加工性が良く、複雑なデザインにも対応可能であり、高級感を求める店舗什器や装飾金物に最適な金属です。

ステンレス

ステンレスは、鉄にクロムを加えた合金で、錆びにくく、耐久性に優れています。また、衛生的で清掃が容易なため、食品や医療関連の什器に多く使用されます。磁性がなく、導電性も低いことから、電磁気の影響を排除しなければならない什器にも対応可能です。シンプルでモダンなデザインに適しており、幅広い用途で活用されています。

鉄/スチール

鉄は非常にありふれた金属ですが、比較的強度が高く、コストパフォーマンスも良い素材です。純粋な鉄は錆びやすいというデメリットがありますが、表面処理を施すことで耐腐食性を向上させることができます。微量の炭素を混合したスチール(鉄鋼)は、より機能性を高められているため、純鉄よりも扱いやすいです。インダストリアルデザインの什器には、鉄やスチールの無骨な質感がふさわしい場合もあるでしょう。

アルミニウム

アルミニウムは軽量かつ高強度であり、耐食性も兼ね備えた金属です。アルミ製の什器は持ち運びが容易で長持ちするため、非常に人気があります。また、加工しやすく、複雑な形状にも対応可能です。高い反射性や人体への無害性、優れたリサイクル性といった特徴もあり、什器や製作金物以外でも活用頻度の高い金属素材といえます。

金属素材の選定基準

金属素材を選定する際には、以下に挙げる3つの基準が重要です。

  • 耐久性
  • 加工性
  • デザイン性

それぞれ解説します。

耐久性

什器は長期間使用されるため、耐久性が重要です。錆びにくく耐久性に優れた金属を選定すれば、美しい状態を長く保つことができます。特に、頻繁に人の手に触れる什器には、以下の素材が適しています。

真鍮:耐食性が高く、長期間使用しても美しい状態が保たれます。

ステンレス:耐食性・耐久性に優れており、食品や医療関連の什器に多く使用されています。

加工性

金属素材の加工性も重要なポイントです。加工性が高い素材は、複雑なデザインや細部の仕上げが可能です。加工性で選ぶなら、以下の金属がおすすめです。

真鍮:展延性に優れ、切削加工もしやすい金属です。加熱した状態で簡単に加工できることから、製作コストも抑えられます。

ステンレス:難削材のひとつに分類されますが、技術のある業者なら精密加工が可能です。

アルミニウム:加工性が高く、軽量で強度も良好なため、複雑な形状の什器に最適です。

デザイン性

デザイン性も素材選定の重要な基準です。それぞれの素材が持つデザイン特性を生かすことで、店舗の雰囲気やブランドイメージを向上させることができます。

真鍮:加工性が良いため、複雑な造形にも適しています。新品は美しい光沢があり、経年劣化したものには深い味わいが感じられます。

ステンレス:無機質でモダンな雰囲気を表現するのに最適です。近年はステンレス製のインテリアにも注目が集まっています。

アルミニウム:アルミ特有の軽やかな質感は、特徴的なデザインに向いています。繊細な加工もできることから、機能性と意匠性を両立しやすい金属素材です。

デザイン性の高い真鍮の魅力と注意点

真鍮は、美しい光沢と独特の風合いで、多くのデザイン愛好家に支持されています。しかし、その魅力的な美観を持つ一方で、いくつかの注意点もあります。

魅力(美観など)

真鍮の最大の魅力は、金色に輝く光沢です。真鍮製の什器や装飾金物は高級感を演出し、店舗の雰囲気をワンランクアップさせます。また、真鍮は経年変化により独特の味わい深い風合いを持つようになるため、時間が経つにつれて外観にも個性が出てきます。アンティークな雰囲気の装飾とも相性が良いです。

加工性が高く、細かいデザインや装飾を施せることも、真鍮を選ぶ理由となるでしょう。特に、デザイン性を重視したい什器には最適な素材です。

注意点(高価・腐食など)

真鍮の価格は2021年頃から高騰しています。高級感のある店舗・オフィスづくりの一貫として什器や装飾金物に投資する価値はありますが、予算の制約がある場合には検討が必要です。

また、真鍮は湿度の高い環境では腐食しやすく、酸やアルカリにも弱い金属です。さらに、指紋や汚れが目立ち、緑青(ろくしょう:真鍮や銅に発生する青緑色の錆)も出るため日々の清掃が欠かせません。適切な取り扱いとこまめなメンテナンスが重要です。

hオーダーメイド什器の製作プロセス

オーダーメイド什器の製作は、初期相談から納品まで、綿密なプロセスを踏んで進められます。ここでは、各ステップの詳細を解説します。

初期相談とヒアリング

まず、製作の初期段階では、顧客との相談・ヒアリングが行われます。顧客の要望や店舗のコンセプトを詳細に聞き取り、什器の完成イメージを共有します。ここでサイズやデザイン、使用する素材などの具体的な要件も検討し、確定させるのが理想的です。

次いで、予算や納期についても話し合い、現実的で無理のない計画を立てます。初期相談とヒアリングを徹底することで、顧客の期待に応える什器の製作プロセスがスムーズに進行します。

ポンチ絵からの図面製作

次に、ヒアリングで得た情報を基にポンチ絵(ラフスケッチ)を作成し、それを元に詳細な図面を製作します。ポンチ図は、アイデアを視覚的に表現するための重要なステップであり、顧客との意見交換を円滑にする役割を果たします。

詳細な図面は、寸法や素材、加工方法など、製作に必要なすべての情報を含むため、後の製作プロセスでのミスを防ぐことができます。この段階で見積もりを出し、顧客の最終確認を得て、製作準備を整えます。

製作

図面が完成したら、いよいよ什器の製作に入ります。熟練した職人の手によって、素材の選定や切削、溶接、組み立てなど、多岐にわたる工程を経て、什器が完成します。高精度に仕上げるためには、各工程での徹底した品質管理が必要です。顧客の要望に応じた機能性とデザイン性の実現が、オーダーメイド什器の価値を高めます。

納品

製作が完了したら、最終チェックを経て納品となります。納品前には、製品の品質や仕様が顧客の要件に合致しているかを再確認します。また、什器の設置やアフターサポートも重要なサービスです。設置後には、什器が予定通りに機能することを確認します。